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歯を全部抜いて入れ歯にしたいという方へ

カテゴリー: 歯科治療


歯を全部抜いて入れ歯にしたい。そうした希望を持たれている方は少なくありません。すべての歯を抜いて総入れ歯にしてしまえば、口腔ケアの手間が省けます。その後は虫歯になることはなく、歯周病のリスクも限りなくゼロに近づくでしょう。けれどもそれが本当に正しい選択であるかは、改めて考える必要があります。

今回は歯を全部抜いて入れ歯にしたいという方に向けて、東陽町のナオデンタルクリニックがアドバイスいたします。

歯を全部抜いて入れ歯にするメリット・デメリット

はじめに、歯を全部抜いて入れ歯にすると、どのようなメリットやデメリットを伴うのか考えてみましょう。

【メリット】

ケアが楽になる

残存歯があって部分入れ歯を装着している状態は、ケアが煩雑になりがちです。なぜなら口腔と入れ歯の両方をケアしなければならないからです。とくに残っている歯の状態や部分入れ歯の構造によっては、毎回のケアに長い時間がかかります。歯を全部抜いて入れ歯にすると、人工歯と義歯床からなるシンプルな構造の総入れ歯を清掃するだけで済みます。当然ですが、口腔内を歯ブラシでブラッシングする必要はありません。これは毎日の口腔ケアが煩わしいと感じている人にとって大きなメリットとなることでしょう。

虫歯や歯周病にならない

歯がないところに虫歯や歯周病を発症することはありません。虫歯や歯周病は、歯を失う原因となっている原因となっているだけでなく、深刻な全身疾患を引き起こす誘因ともなり得るため、それらのリスクを失くせることは、今後の人生においてメリットになるとも考えられます。ただし、総入れ歯のケアが不十分だと、口腔カンジダ症を始めとした感染症のリスクが上がる点には注意が必要です。歯が1本もないからといって、口腔ケアを疎かにして良いというわけではないのです。

虫歯や歯周病で困る年配女性

【デメリット】

抜歯をした天然歯は元に戻らない

現状、天然歯に優る人工歯は存在していません。仮に歯冠部がボロボロになって歯根だけになっていたとしても、健全な状態であれば残した方が良いでしょう。天然歯の歯根だけでも活用できる治療法はいくつかあります。

総入れ歯は使い心地が悪い?

総入れ歯は、口腔粘膜に吸着させる形で固定する装置です。そのため食事や会話をする際に口腔粘膜や筋肉の形の変化に追従することが難しく、ズレたり、外れたりすることが多いのです。装置の構造上、プレート部分である床(しょう)も大きめに作らなければならないことから、装着時の違和感・異物感も大きくなっています。もちろん、自費診療の総入れ歯なら、機能性や耐久性、審美性を追求することができますが、改善できる範囲は限られていることも知っておいてください。

歯を全部抜かなくても入れ歯にできます

歯を全部抜いて総入れ歯にすると、ケアが楽になって虫歯や歯周病のリスクもなくせますが、かけがえのない天然歯を失うという大きなデメリットも伴います。そこでもうひとつの選択肢として知っておいていただきたいのが「アタッチメント義歯」のような歯を抜かずに装着できる入れ歯です。

アタッチメント義歯

アタッチメント義歯

アタッチメント義歯とは、残った歯の歯冠や歯根にすっぽりとはめ込む入れ歯で、いくつかの種類があります。例えば、歯冠部がボロボロになっているケースでは、歯根側に磁性金属を埋め込み、入れ歯側には磁石を設置します。入れ歯に磁力に誘導されて自然と固定位置に引き寄せられるため、装置の着脱で苦労することはありません。

また、磁性アタッチメント義歯は、標準的な入れ歯よりも安定性が高く、外れることもほとんどなく、使用感も良好です。歯冠が残っているケースでは、歯の頭の部分に差し込む歯冠外アタッチメント義歯が適しています。

このように、歯を残した状態でも比較的適合の高い入れ歯を装着することは可能です。けれどもアタッチメント義歯もあくまで入れ歯です。欠損部の骨は徐々に痩せていきますし、噛み心地も天然歯とは異なります。患者さんのお口の状態によっては、噛みにくさ、しゃべりにくさに悩まされる可能性も十分にあります。

インプラントという選択肢

インプラント

歯を全部抜いて入れ歯にしたいという方には、インプラントという選択肢もご提案できます。インプラントは顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込む治療法で、現状では唯一、失った歯を歯根から回復できます。そのためインプラント治療では次に挙げるようなメリットが得られます。

  • 見た目が自然で美しい

  • 天然歯のようにしっかり噛める
  • 装置がズレたり、外れたりしない
  • 顎の骨が痩せにくい
  • 装置による違和感、異物感がほとんどない

つまり、インプラントなら入れ歯に伴うデメリットのほとんどの解消できるのです。しかもインプラントには、歯を全部抜いた場合の治療法も用意されているのです。

歯を全部抜いて装着する「オールオン4」

アタッチメント義歯

オールオン4は、顎の骨に4本の人工歯根を埋めて、総入れ歯の形をした上部構造を装着する治療法です。原理的にはインプラント治療と同じものなので、上述したメリットが得られます。しかもオールオン4は通常のインプラント治療よりも埋入する人工歯根の数が少ないことから、費用が安く、治療期間も短くなるというメリットを伴います。

ですから、歯を全部抜いて入れ歯にしたいという方には、オールオン4という選択肢も推奨できます。入れ歯は、人工臓器の一種とも考えられており、適合性の良し悪しで生活の質も大きく変わります。それだけに自分にぴったり合った、快適な装置を作りたいものです。オールオン4ならその希望をかなえてくれることでしょう。

まとめ

今回は、歯を全部抜いて入れ歯にしたいという方に向けて、治療法の選択肢や注意点を東陽町のナオデンタルクリニックが解説しました。歯を全部抜いて入れ歯にする治療は、決して悪いことではありませんが、快適な入れ歯生活が待っているとも限らないため、歯を抜かずに入れ歯にする方法も検討した方が良いでしょう。残った歯の状態が悪かったり、全部の歯を抜くという希望が強かったりする場合は、抜歯をした上で無歯顎(むしがく)の治療へと移行して良いと思います。その際は、総入れ歯以外にもオールオン4のようなインプラント治療も選択肢のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか。

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