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奥歯7番の抜歯後、放置するケース・治療するケース

カテゴリー: 抜歯

私たちの歯は、親知らずを除くと全部で28本生えてきますが、その中でも奥歯7番は失いやすい歯として有名です。専門的には第二大臼歯と呼ばれる歯で、歯周病や虫歯が原因で抜歯した後には、何らかの方法で治療することになります。近年は、奥歯7番を抜いた後の治療法としてはインプラントが人気ですが、実は何もせずに放置するという選択肢も存在します。

そこで今回は、奥歯7番の抜歯後に放置するケースと治療するケースの違いやインプラントで補う方法について、東陽町のナオデンタルクリニックがわかりやすく解説をします。

奥歯7番とは

奥歯7番とは、文字通り前から7番目に生えてくる永久歯です。いわゆる“大臼歯”に当たることから、咀嚼機能の主体となる歯といっても間違いではありません。厚生労働省が実施した平成11年の歯科疾患実態調査の結果によると、奥歯7番の平均寿命は50年程度であり、最も寿命が長い下顎の犬歯の66年と比較すると、失うリスクが高い永久歯であることがわかります。

奥歯7番

奥歯7番の寿命が短い理由

ちなみに、奥歯7番を失うといっても、自然に骨から脱落するのではなく、ほとんどのケースは歯周病や虫歯を重症化させて、抜歯を余儀なくされます。奥歯7番は、歯列の一番奥に生えてくるため、清掃性が悪く、磨き残しが多くなりやすいのです。また、咀嚼機能の主体となることから、歯に対して大きな負担がかかって、摩耗や破折、亀裂が生じやすくなっているのも要因です。

歯周病や虫歯が重症化

奥歯7番の抜歯後、放置するケース

何らかの理由で奥歯7番を抜いた後、以下のケースではインプラントなどの補綴治療を行わずにそのまま放置することがあります。

【ケース1】上下の奥歯7番を抜歯している

今回抜いた奥歯7番と本来は噛み合っていた奥歯7番も抜いている場合は、インプラントをはじめとした補綴治療をせずにそのまま放置することが多いです。なぜなら片方の奥歯だけ補綴治療しても、噛み合う歯がなければ咀嚼機能を回復できないからです。そのままの状態でブリッジやインプラントを装着しても、噛んだ時の刺激が伝わらず、顎の骨は痩せていく一方でしょう。

また、片方だけを補綴治療すると、審美面においてもアンバランスとなることから、奥歯7番を抜歯後そのまま放置した方が良い結果をもたらすこともあるのです。

【ケース2】顎の骨の健康状態が悪い

奥歯7番を抜歯する理由が歯周病の重症化である場合は、顎の骨の状態が悪いことが多いです。補綴治療は、顎の骨の状態に大きく左右されるため、著しい吸収などが見られるケースは抜歯後そのまま放置する可能性もあります。

【ケース3】口を大きく開けられない

顎関節症などによる開口障害が見られるケースでは、口を大きく開けて補綴治療することが困難な場合があります。具体的には、指を縦に3本入れることができないほど、開口量が少ないケースは、奥歯7番を抜歯後に補綴治療は行わず、経過を見ることがあります。

奥歯7番の抜歯後、治療するケース

抜歯後の治療

【ケース1】片方の奥歯7番が機能している

抜歯した奥歯7番と噛み合っていたもう片方の奥歯7番が正常に機能しているのであれば、インプラントをはじめとした補綴治療を受けた方が良いです。抜歯後そのままにしていると、もう片方の奥歯7番が伸びてきて、歯並び・噛み合わせが乱れます。咀嚼機能も低下するため、早急に補綴治療を始めた方が良いでしょう。

【ケース2】審美性を重視している

奥歯7番は、比較的目立ちにくい部位ではありますが、抜歯後に審美性が低下するのを避けたいという方には、補綴治療が必要となります。特に審美性を重視している方には、抜歯した奥歯7番を歯根から回復できるインプラントが推奨されます。

【ケース3】親知らずが生えている

第三大臼歯である親知らずは、奥歯7番のすぐ後ろに控えています。その親知らずがもうすでに生えている、あるいは萌出途上になると、奥歯7番を抜歯することによって手前へと移動を始めます。その結果、全体の歯並び・噛み合わせ、清掃性などに悪影響を与える場合は、親知らずの移動を防ぐという意味においても補綴治療が重要となります。

奥歯7番はインプラント治療できる?

このように、奥歯7番は大きな負荷のかかる大臼歯で、28本ある永久歯の中で最も寿命が短くなっていることから、機能性や耐久性に優れた補綴装置で欠損部を補いたいものです。その際、有用なのが抜歯した奥歯7番を歯根から回復できるインプラントです。

インプラント治療

インプラントは奥歯7番にも適応可能

インプラントは、奥歯7番はもちろんのこと、高い審美性が要求される前歯にも適応できます。なぜならインプラントは、機能性や耐久性だけでなく、審美性にも優れた補綴治療だからです。チタン製の人工歯根が顎骨と密に結合し、本物の歯と同じような噛み心地と見た目の自然さ、美しさを実現します。奥歯7番を抜歯した後の補綴治療の費用としては、やや高くなるものの、従来法と比べると寿命が長いことから、コストパフォーマンスに優れているといっても間違いではありません。

奥歯7番はブリッジが難しい?

ちなみに、従来法であるブリッジは、奥歯7番の抜歯症例で適応できないことがあります。ブリッジというのは、そもそも歯の欠損部の両隣に健康な歯があることが前提なので、一番奥に位置する奥歯7番を抜いた場合は、イレギュラーな対処が迫られるからです。

具体的には、奥歯7番の手前の2つの歯を支台歯とする「延長ブリッジ」が適応されます。延長ブリッジはその構造上、割れやすい、欠損部の顎骨が吸収しやすい、しっかり噛めない、支えとなる歯に大きな負担がかかるなどのデメリットを伴う点に注意しましょう。ブリッジと同じく、健康保険が適用されて費用を安く抑えられる入れ歯は、奥歯7番の抜歯後でも問題なく適応できますが、固定式の装置であり、インプラントと比較すると機能性や耐久性、審美性に大きく劣ります。

まとめ

今回は、奥歯7番の抜歯後に放置するケースと治療すべきケースについて、東陽町のナオデンタルクリニックが解説しました。奥歯7番は大きな負荷がかかりやすい大臼歯で、寿命も短くなっていることから、抜歯することが多いといえます。そんな奥歯7番の抜歯後、適切な治療が必要と診断された場合は、欠損部を歯根から回復できるインプラントがオススメです。

インプラントなら、従来法のブリッジや入れ歯の欠点を補うことができ、治療後も快適な生活を送りやすくなります。当院では、奥歯7番の治療でインプラント・ブリッジ・入れ歯のすべてに対応することが可能ですので、どれにしようか迷っている方はお気軽にご相談ください。

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