【緊急】前歯が2本抜けた!今すぐやるべき応急処置と治療の選択肢

スポーツや転倒による外傷で前歯が2本抜けた。前歯はとても目立つ歯なので、2本も抜けると慌ててしまうかと思いますが、まずは焦らず冷静に対処することが大切です。応急処置の方法や歯科医院を受診するタイミングによって、受けられる治療の選択肢や予後が大きく変わることもあるからです。
今回は前歯が2本抜けてしまったときにすぐやるべき応急処置と治療法について、東陽町駅0分のナオデンタルクリニックが詳しく解説をします。
目次
前歯が2本抜けた場合の応急処置
前歯が2本抜けた場合は、顔面や頭部に相応の外傷を負っていることが予想されるため、意識がはっきりしているかを確かめましょう。言葉を明確にしゃべることができるか。今の状況を正確に言語化できるか、口に出して確かめてください。交通事故で前歯が2本抜けた場合は、救急車や家族に電話をする際に、これらを確認すると良いでしょう。その上で、次に挙げる応急処置を実施してください。
止血をする
前歯が2本抜けたということは、歯茎や顎の骨から出血している可能性が高いです。出血が自然に止まらないようであれば、清潔なティッシュやガーゼを患部に当てて、止血を試みましょう。できれば手もきれいに洗いたいところですが、前歯が2本抜けた状況ではそれが難しいことも珍しくはないことから、清潔なティッシュを軽く噛んで圧迫するだけでも良いです。お口の中に砂利などが入っている場合は、手元にある水などで軽くうがいをしてから止血してください。強めにうがいをすると血が止まりにくくなることがあります。
抜けた前歯を保管する
前歯が2本抜けた場合でも、状態によっては元の位置に戻せることがあります。現状では、天然歯に優る人工歯は存在していないため、抜けた前歯の再植に越したことはありません。そこで注意が必要なのが歯の乾燥です。歯の根っこの部分には、歯根膜(しこんまく)という軟らかい組織が貼りついており、その生死によって抜けた前歯を戻せるかどうかが決まります。前歯がきれいな形で2本抜けていたとしても、歯根膜の乾燥によって細胞が死滅していたら、再植することは困難となります。
前歯の乾燥を防ぐ方法
抜けた前歯2本の保管方法としては、お口の中のpHと近い「生理食塩水」や「牛乳」、「ティースキーパー(専用の保存液)」などが理想的ですが、前歯が抜けたシチュエーションによっては、いずれも手に入らないことがあるので、お口の中に含んでおくという選択肢もあります。ただし、この方法の場合は抜けた前歯2本を誤って飲み込まないことが重要です。
抜けた前歯を自分で戻すのはNG
交通事故などのトラブルで前歯が2本抜けた時は、精神的な動揺もあり、自分で元の位置に戻そうとする方もいらっしゃいます。歯根膜が死んでしまうと前歯の再植が難しくなるのなら、元の位置に戻した状態で歯科を受診した方が効率も良くなりそうなものですが、原則としてNGです。抜けた前歯2本を再植するには、極めて高度な技術を要しますし、そもそも受傷した部位は不潔になっていることが多く、そのままの状態で再植することはできません。
歯科医院に行くタイミングと歯科選びのポイント
抜けた前歯2本の応急処置が完了したら、速やかにかかりつけの歯科医院に連絡してください。いつも通っている歯科医院の方がお口の中の状態やこれまでの治療歴などを把握しているため、前歯が2本抜けた場合の治療もスムーズに進めることができるでしょう。かかりつけの歯科医院が休診日であったり、予約が詰まっていてすぐに対応できなかったりする場合は、近くの歯科医院でも構いません。
外科処置が得意で急患対応している歯科医院であればなお良いでしょう。ちなみに、歯の再植を成功させるためには、歯が抜けてから30分以内の処置が望ましいと考えられています。
前歯が2本抜けた場合の歯科選びのポイント
前歯が2本抜けた場合、どの歯科医院を選ぶかによって予後が大きく変わります。
歯の再植の経験がある
前述したように、外傷で抜けた歯の再植をした経験がある歯科医院は、前歯が2本抜けたケースにおいて頼もしい存在といえます。ただ、前歯が2本抜けた場合に再植できるケースは一部に限られることから、このポイントだけに着目する必要はありません。
インプラントに対応している
前歯が2本抜けた場合の治療の選択肢として「インプラント」が用意されていることは、歯科医院選びの重要なポイントとなります。従来法のブリッジ・入れ歯のみに対応している歯科医院では、欠損部の審美性・機能性・耐久性の回復において、相応の制限がかかることを覚悟しましょう。前歯2本の欠損補綴というのは、それくらい難易度が高く、選択した治療法によって仕上がりや満足感が大きく変わるものなのです。
前歯が2本抜けた場合の治療法
前歯が2本抜けた場合の治療法としては、歯の再植、ブリッジ、入れ歯、インプラントの4つが挙げられます。
歯の再植
抜けた2本の前歯を元の位置に戻す治療となりますが、歯や歯茎、顎の骨に深刻なダメージが及んでいないことが前提です。
ブリッジ
抜けた2本の前歯の両隣の歯を支えにして、人工歯が連結された装置を被せる治療法です。ブリッジは固定式の装置であり、見た目も比較的目立ちにくいのですが、残った歯を少なくとも2本は大きく削らなければなりません。
入れ歯
前歯が2本抜けた場合の治療法として、最も手軽なのは部分入れ歯です。残った歯を大きく削る必要がなく、装置を自由に着脱できますが、審美性や機能性、耐久性はブリッジよりも低いです。特に前歯が2本抜けた場合は、審美面において深刻な問題が生じやすいです。
インプラント
顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込んで、欠損歯を歯根から回復できる治療法です。審美性・機能性・耐久性は、ブリッジや入れ歯より優れています。そのため前歯2本が抜けたケースでは、インプラントを第一に検討する方が多くなっています。
まとめ
今回は、外傷によって前歯が2本抜けた場合の応急処置や治療の方法について解説しました。前歯が2本抜けた時は、まず傷口からの出血を止めて、その他の部位にも大きな異常がないかを確認しましょう。その上で、歯を牛乳や生理食塩水などに浸して乾燥を防ぎ、速やかに歯科医院を受診してください。前歯が2本抜けた場合の治療法としては、歯の再植、ブリッジ、入れ歯、インプラントの4つがあり、どれが適しているかは患者さんによって異なります。可能であればすべての治療法に対応している歯科医院を受診しましょう。


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- テストナオデンのインプラントブログ個別記事のタイトル テストナオデンのインプラントブログ個別記事のタイトル - 2021年10月25日