奥歯が抜けたらどうする?放置するリスクと3つの治療法を解説

私たちの歯は、前歯と奥歯の2つに大きく分けられます。それぞれ形も役割も少しずつ異なるため、抜けた場合のデメリットや放置するリスクにも違いが見られます。
今回はそのうちの奥歯に焦点を当てて、抜けたまま放置すると起こりうることや治療する方法の選択肢を東陽町駅0分の歯医者ナオデンタルクリニックが解説します。外傷やむし歯、歯周病などが原因で奥歯が抜けた方は、治療法を選ぶ際の参考にしてみてください。
目次
そもそも、奥歯ってどこから?
厳密な意味での奥歯(臼歯)は、前から4番目から始まります。親知らずも医学的には奥歯なので、以下の5種類が存在しています。
- 第一小臼歯(4番目の歯)
- 第二小臼歯(5番目の歯)
- 第一大臼歯(6番目の歯)
- 第二大臼歯(7番目の歯)
- 第三大臼歯(8番目の歯)
小臼歯は、文字通り小さな奥歯で、矯正治療で行う便宜抜歯の対象となりやすいです。鏡でお口の中を見てみると、前歯と奥歯の中間的な形、大きさをしているのがわかります。一方、大臼歯は臼(うす)のような形をしており、サイズも大きく、存在感があります。頑丈そうで寿命も長いように感じられますが、実際は大臼歯を失うリスクの方が高いです。
親知らずを除くと全部で28本ある永久歯の中で、下の第二大臼歯の平均寿命は50年程度と最も低くなっています。下の第一小臼歯の平均寿命が60年程度なので、同じ奥歯でも10年近い寿命の差が見られます。これは第一大臼歯や第二大臼歯が咀嚼機能の主体となっていることが深く関係しています。この2つの奥歯は、それだけ過酷な負担を強いられており、経年的なダメージも蓄積しやすくなっているのです。もちろん、大臼歯は構造上、汚れがたまりやすく、むし歯や歯周病のリスクが高い点も寿命の短さに関連しています。
奥歯が抜けたまま放置するとどうなる?
次に、外傷やむし歯などで抜けた奥歯を放置していると何が起こるのか?という疑問にお答えします。ここでは抜けることが多い大臼歯を想定して、歯の喪失後の変化を解説します。
食べ物が噛みにくくなる
奥歯を抜けたまま放置すると、まず感じるのが「噛みにくい」という症状です。これまでは何気なく噛んでいたお肉や野菜などが奥歯を失った途端に噛みにくくなることを実感するかと思います。その時になって初めて大臼歯のありがたみを実感するものです。これは奥歯を1本だけ失ったケースにも当てはまります。食べ物をしっかりと噛み砕き、すり潰すことができなくなると、食事の楽しみが減退します。あまり噛まずに飲み込めるものを好んで食べるようになるため、栄養バランスも偏っていきます。こうした変化は、患者さんのQOLを徐々に低下させていくものなので、侮ってはいけません。
顎の骨が痩せていく
奥歯が抜けた部分を放置していると、顎の骨が退化していきます。専門的には骨吸収と呼ばれる生理的な反応が進み、顔貌が変わったり、失った歯の治療の選択肢が狭まったりします。骨が痩せると筋肉も衰えることから、噛む力も弱くなっていきます。
歯並び・噛み合わせが悪くなる
奥歯が抜けた部分は、隙間となります。私たちの歯は、お互いがお互いを支え合って歯列を形成しているため、隙間が存在しているとそこに向かって倒れ込んだり、移動したりする現象が起こります。もともと噛み合っていた対合歯(たいごうし)は、隙間に向かって伸びていくことでしょう。こうした歯の移動は、全体の歯並び・噛み合わせに深刻な悪影響をもたらします。とりわけ奥歯(大臼歯)はサイズが大きく、歯並びや噛み合わせを安定させる上でも大きな役割を担っていることから、抜けたまま放置するリスクも大きい点に注意しなければなりません。
奥歯が抜けたときの3つの治療法
このように、奥歯が抜けたまま放置するのは患者さんのお口や全身の健康にとって良くないため、以下の3つの選択肢からご自身に合った治療法を選ぶことが大切です。
インプラント
インプラントは、奥歯が抜けた部分にチタン製の人工歯根を埋め込んで、セラミック製の人工歯を装着する治療法です。現状、失った奥歯を歯根から回復できる治療法はインプラントのみで、得られるメリットも従来法より多くなっています。繰り返しになりますが奥歯(大臼歯)は、その他の歯では代替不可能な役割を担っており、歯並びや噛み合わせ、咀嚼機能の主体となる歯なので、その機能を忠実に再現できる治療法が望ましいです。天然歯と同じような構造を持ち、顎の骨とダイレクトに結合するインプラントなら、抜けた奥歯の代替となる可能性が高いです。
ブリッジ
ブリッジは、抜けた奥歯の両隣の歯を支えとする補綴装置です。インプラントと同じ固定式ではありますが、人工歯根は存在していません。また、抜けた奥歯の両隣の歯を大きく削らなければならないという欠点もあります。さらに、抜けた奥歯の位置や残った歯の状態によっては、ブリッジの適応が難しいこともある点に注意しなければなりません。
入れ歯
入れ歯は、抜けた奥歯を取り外し式の装置で補う治療法です。特定の奥歯だけ抜けた場合は、人工歯と義歯床、金属製のクラスプからなる部分入れ歯を作ります。入れ歯治療では、残った歯を大きく削ったり、外科手術を行ったりする必要がないため、手軽に受けられるものの、奥歯を補う装置としてはいくつか難点があります。具体的には、抜けた奥歯の噛む力を40%程度しか回復できない、強い圧力がかかる部分なので変形や破損が起こりやすい、顎の骨が痩せていくなどのデメリットがその他の装置よりも大きいです。
治療法を選ぶときのポイント
抜けた奥歯の治療法を選ぶ際には、以下のポイントに着目することが大切です。
- 噛む力の回復量(インプラント>ブリッジ>入れ歯)
- 見た目(インプラント>ブリッジ>入れ歯)
- 装置の耐久性(インプラント>ブリッジ>入れ歯)
- 適応範囲(インプラント>入れ歯>ブリッジ)
- 費用(入れ歯>ブリッジ>インプラント)
上述した通り、奥歯は咀嚼機能において重要な役割を担っている歯なので、治療法を選ぶ際にはまず噛む力の回復量を優先的に考えた方が良いでしょう。また、再治療を繰り返すことは残った歯やお口の健康に深刻な悪影響を及ぼすことから、耐久性が高い装置の方が望ましいです。その他のポイントも考慮しながら、抜けた奥歯の治療法を検討してみてください。
まとめ
今回は、奥歯が抜けたまま放置するリスクと3つの治療法について解説しました。奥歯(臼歯)4番目から8番目までの歯で、食べ物を噛む際に大きな役割を担っています。そんな奥歯を抜けたまま放置していると、咀嚼障害や顎骨の吸収、歯並び・噛み合わせの乱れなどを引き起こす可能性が高いため、早期に治療する必要があります。抜けた奥歯の治療法としてはインプラント・ブリッジ・入れ歯の3種類がありますので、どれにしようか迷われている方は、いつでもお気軽に東陽町駅0分の歯医者ナオデンタルクリニックまでご相談ください。


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- テストナオデンのインプラントブログ個別記事のタイトル テストナオデンのインプラントブログ個別記事のタイトル - 2021年10月25日