インプラント治療が不安な方に

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インプラント治療が不安な方に

1.手術前日までの準備

予約

インプラント手術の予約は、通常そこまで腫れることはまれですが、その後1週間位手術部分が腫れる可能性を考えて予約をとって下さい。手術直後の日程に重要な予定があり、腫れたりしていると困る事も考えられるからです。

体調

インプラント手術日は、体調万全で迎えたいものです。熱が高いようなカゼをひくと手術延期となる場合もあります。

2.手術前日のアドバイス

インプラント手術の不安

前日の注意として、まず睡眠時間はしっかりとることです。しかし、やはり前日の夜が一番不安になるものです。人間初めての物には不安を覚えるものです。まして”手術”という言葉は重みがあります。

でも、歯を抜くという事も手術の一つです。

つまり、インプラントをする人は通常歯を抜いた事があるので、手術の経験があるということです。インプラントを特別なものと考えすぎない事も必要です。

手術中の痛みがどうしても怖いという方は、麻酔の専門医により、腕の静脈から鎮静薬を注入します(静脈内鎮静法、セデーション)。

患者さんは、眠くなり手術中のことはあまり覚えてない状態になります。あっという間に手術が終わる感覚ですので、大変楽です。手術中にいびきをかいて寝てしまわれる方もいるくらいです。 ただ、麻酔専門医に来て頂くために、費用が別途6.6万円(税込)かかります。

痛みの不安

痛みを心配する人も多いと思います。手術中は麻酔をして行われるので、通常痛くはありません。確かに効きが悪い事もありますが、そういう時は普通はすぐ麻酔を足します。

体に害がないか心配

インプラントは、チタンという金属でできています。

チタンは、骨に埋めただけで骨の方がチタンにくっつこうとするほど、生体に対して親和性の高いものです。体に害があるということはありません。

悪い噂に対する不安

日本においてインプラントは20年以上も前から臨床に使われてきました。

しかし、以前のインプラントは、材質も形も今と違い失敗率の高いものでした。また、治療技術の低いDrによる失敗症例の話をお聞きになり不安に思うこともあるでしょう。しかし、現在のインプラントはどれも高性能でトラブルの可能性は極めて低く、トラブルがあっても除去して再度インプラントを埋入する事ができます。

3.当日、手術までの時間の過ごし方

オペまで

なるべくリラックスした時間を過ごしてください。ナオデンタルクリニックではなるべく患者さんの体に負担がかからないオペを心掛けております。インプラント手術は1人の為に10人分位の治療時間をとっている事もあるので、なるべく遅刻やキャンセルを避けて下さい。

服装

手術はやはり出血処置です。手術用エプロンなどで守られていても、血が飛んで服が汚れる恐れがあります。なるべく汚れても良い服装をお勧めします。またなるべく窮屈な服装は避けるようにしてください。

食事・歯ブラシ

食事は、普通にとって下さい。空腹なままでは血糖値が下がりすぎることがあります。そして主治医から術前投薬をされている人は、指示に従って薬を飲んで下さい。 その後のハブラシは、特に念入りにして下さい。手術は完全滅菌をして行うので、なるべく清潔を心がけてください。

そして、忘れてはならないのは常備薬です。高血圧、動脈硬化の薬には、血液をサラサラにする作用があるものが多く(ワーファリンなど)、その為により血が止まりにくくなるため、手術には要注意です。

また、糖尿病、向精神薬、非ステロイド系抗炎症剤、経口避妊薬等の薬の中には、術前に投薬を中止した方が良い物があります。その点でもぜひ事前に主治医の先生に聞いてみてください。

特に骨粗鬆症の薬を飲んでいる方は、要注意です。骨粗鬆症の薬のためにインプラントの手術の後に骨の壊死をおこす場合があるからです。骨粗鬆症の薬を飲んでいる方は、必ず報告してください。そして薬を中止した状態で手術をうけるようにしてください。

4.手術中

心がまえ

手術中はなるべく他のことを考えてあまり口の中に意識を集中しないことをお勧めいたします。

呼吸

通常歯科治療では、歯を削る時、水がでます。でもインプラント手術では、骨を削る時、生理食塩水がでます。これが口にたまって呼吸がうまくできなくなってしまう方がいらっしゃいます。休み休みやることも出来ますので苦しい場合はなるべくお鼻で呼吸をするようにし、我慢が出来ないときは左手を軽く上げることによって知らせてください。

舌の力はなるべく抜くようにしてください。舌に力が入りすぎると、舌が治療の邪魔になる事があります。通常、我々治療する側が舌をうまくよけて治療するので、舌を意識し過ぎないように、そして舌に力を入れないようにしていれば、うまく治療が進みます。

5.手術中の注意

手術後は通常、抗生物質や痛み止めが出されると思います。薬は必ず、指示通り飲まれてください。術後感染がおこるとインプラントが定着せず失敗の原因につながります。

出血

手術は外科処置なので、当然術後の出血があります。出血が止まってからお返しいたしますが、カサブタが出来てから血は止まりますので、せっかくできたカサブタが取れてまた出血することはないよう、べろなどで傷口を触らないよう注意してください。

そのほかの注意

手術後の主な注意事項は抜歯の時と同じです。お風呂・お酒・運動など、血のめぐりの良くなる事は止血の妨げになるので避けて下さい。お風呂でなくシャワーなら通常大丈夫です。食事は、麻酔が効いていたり血が出たり思う様にできませんが、栄養を取る事も大切で必要です。食べやすい物を選んで食べて下さい。

治療成功のために

手術に関する安全性

手術というと、「骨を削って金属のスクリューを打ち込んで……」と恐怖心をお持ちの患者様が多くいらっしゃいます。

現在使用されている歯科用インプラントは純チタン、チタン合金を材料としたもので、骨結合型が一般的です。チタンは無害で発癌性もなく腐食しません

また、組織との親和性が高く、アレルギー反応を生じさせません。したがって、材料が原因で寿命が短縮する事はありません。

手術自体は局所麻酔+無痛鎮静法(点滴麻酔)で何のお痛みも無く受けていただく事ができます。個人差はございますが、術後のお痛みも通常の抜歯程度で、術後数日で落ち着いてきます。入院の必要も無く、翌日から通常の生活をしていただけます。

また、的確でより安全性に手術を行うため、アゴの骨の立体的な形態や、神経の位置を把握するCT診断を行っております。

CT診断に関しては、こちらをご覧ください。

手術のミスの原因

さて、手術自体の安全性ですが、ミスが起きる場合の原因として以下の項目が挙げられます。

  1. 未熟な外科手技による不適切な埋入
  2. 骨の状態によるもの(硬すぎる・柔らかすぎるetc)
  3. 不十分な解剖学的知識による神経・血管・粘膜の損傷

など。

これらのミスは術後初期段階に症状として出現することがあります。このような場合には埋入したインプラント(フィクスチャー)を抜去し、増骨手術など必要な処置の後に2~3ヶ月後に再手術を行います。

相手方・隣の歯

相手方・隣の歯

長いあいだ歯が無いのを放っておきますと、対応する相手方の歯が移動して(伸びて)いる場合が多いので、インプラントの部位と噛み合う相手方の歯も治療する場合が多いのです。

例えば「右下に入れる=右上の歯が対応する歯になる」といった場合を想定してみますと、右上の歯が下に向かって伸びてきている場合が多いので、伸びてしまった上の歯を事前に処置しませんと、インプラントがうまく歯茎の中にはいっても、かぶせ歯をいれる高さが無く、後になって治療計画の変更を申し出られたりします。

また同様に、隣の歯が倒れこんでいる場合もあり、この場合には倒れた歯を矯正治療によって元の位置にもどす必要があります。

経済的理由による無理な設計を避ける

2本の埋入

例えば下の奥歯が3本連続して欠損している場合、力学的な観点から最低2本は埋入しなくてはなりません。

ご予算の関係上1本しか埋入できない場合、過剰な応力が集中して寿命が短縮することがございます。

また、右上の奥歯を2本欠損し、左上の奥歯はあるのですが歯周病でグラついている場合、グラついた歯を抜歯して両側に埋入するのが理想的です。

しかし、経済的理由で右上のみになってしまった場合、噛み合わせの力は右上のインプラントに過剰に集中してしまい、寿命低下につながってしまいます。

歯ぎしりなどの噛み合わせによるもの

全体的な噛み合わせが不適切なままですと、ブラキシズムといわれる癖を引き起こす事があります。

ブラキシズムとは歯ぎしりや食いしばりなどですが、これは歯を支える歯周組織に破壊的なダメージを与える事があり、インプラントの寿命にも影響することがございます。

歯ぎしりの癖がある方はインプラントの装着後、マウスピースを着けていただくこともあります。

適正なフィクスチャーのサイズ選択

フィクスチャー

強い噛み合わせの力を受ける奥歯において、残っている骨の幅や長さが不足している場合、適切なサイズを埋入できない場合があります。

この場合、多少の時間をかけても骨の移植手術を行うことで、土台となる骨の造成を行うことが必要です。

当院では、より安全で的確な手術を行うため、術前の十分なカウンセリングと、CTによる診断を行い、患者様に安心して手術を受けていただけるよう心がけております。

インプラント治療後のケアについて

インプラントの清掃箇所

天然の歯とインプラントの形態は同じではありません。そこで歯ブラシだけでなく、インプラントの形態に合わせた補助清掃器具を使用する必要があります。先生や衛生士と一緒に、効果的な清掃法法を探していきましょう。その上で、毎日必ずお口の中の清掃をしてください。

インプラント治療後に他の歯が悪くなってしまったら…

他の歯が悪くなった場合

たとえ周りの歯が悪くなって抜けてしまっても、その部分に新しくインプラントを植立し、上部に装着する人工の歯を追加することで、再び本来の機能や美しさを回復できます。ご安心ください。

インプラントによる身体への影響

インプラントの断面図

カルシテックインプラントの表面に使われている材料は、ハイドロキシアパタイトと呼ばれ、顎(あご)の中で積極的に骨と結合しようとする生体活性材料です。他のインプラントシステムと比較しても、さらに生体となじみやすく、身体には全く影響はありません。